特殊から一般への帰納


 みなさんは、ご自分の特殊な体験、つまり(客観的にいうならば)「たった」数名の死の観察例
から、一般論として「死ぬこと」の評価を帰納しておられるように思われます。
 もちろん、友達にひとりのヘブライ人がいる人は、その友達をみて「ヘブライ人というものは」
と考え、述べることが多いでしょう。これは、人間の思考の型として、自然では、あります。

 しかし、例えば、数百人の死を見とった医療関係者は、数人の死から帰納されたみなさんの
感想とは違った感想を持っておられるかもしれません。

 そして、その場合ですら、客観的にいうならば、たった数百人の死を、それも一時的な過渡現
象だけ外から現象論的にみただけで、「そもそも死というものは」と語れるのか、と問われなけ
ればならないでしょう。


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