エリダヌス座イプシロン星に巨大惑星、発見される


 太陽系近くに木星より大きな惑星 近くに第二の地球も? (CNN) ――この題名は誤解を招
きかねない。
 一瞬、カイパーベルトに巨大惑星が見つかったのかと興奮してしまったが、惑星が見つかっ
たのは、太陽系とは無関係の別の恒星系。南天のエリダヌス座のイプシロン星を「太陽」とす
る星系の話。
 また記事中に「イプシロン・エリダーニ」とあるが、正しい日本語の術語は「エリダヌス座イプシ
ロン星」(位置は図版参照=star.exeで作画)。



 この「太陽」は太陽系の太陽と似ているらしく、発見された星系も太陽系に似ているのかもし
れない。どのくらいの恒星が、惑星を持つか? というのは、SETIにおいて重要なパラメータ
で、記事にあるように「地球型」生命体が存在する可能性は、確かにある――時間の要素を無
視すれば。
 標準的なSETIモデルでは、地球外生命体の平均文明継続時間が短すぎ、たとえ、「第二の
地球」にある時期、ETがいたとしても、それが地球の人類と「同じ」時期である確率は非常に低
いと考えられる。
 「第二の地球」に宇宙人が栄えるのは、地球人類の絶滅後であるか、あるいは、すでにあち
らにいた宇宙人は、とうの昔に絶滅してしまっている可能性が高い。百億年オーダーの宇宙の
タイムスケールで見た場合、二種類の宇宙人の文明継続時間がそれぞれ数百万年とすると、
まず同時に存在できないのは明らかだ――つまり、先発の宇宙人が先に滅びて、ずいぶんた
ってから後発の宇宙人が発展するので、コンタクトできない。
 しかし、非常にたくさんの惑星を調べれば、たまたま地球人類と「同じ」時を生きている知性
体も存在するかもしれない。ここで「同じ」時、というのは、(光速度が有限である結果の)主観
的な観測的同時性のこと。
 一万光年向こうの惑星の「今」とは「客観的」には一万年前のことだ。

 エリダヌス座イプシロン星は、太陽からわずか10.5光年。太陽系のスケールからみるとあまり
にも遠いが、銀河系のスケールでみると、すぐとなりだ。現在知られている恒星のなかでは、太
陽近傍ベスト10に入る。
 また、スペクトル型も太陽に似ており、惑星系が発見されたとなると、太陽系とよく似ている可
能性が出てくる。

参考リンク:Epsilon EridaniAstronomers track nearby planet (BBC) 「宇宙船を飛ばしてお
隣の星エリダヌス座イプシロンまで行っちゃおう」という空想を巡らしたサイト


トップへ
トップへ
戻る
戻る